背中で語りかける
2006年 07月 05日
ふと、その老人に目がいった。ただ、椅子に腰を掛け、寡黙に海を見つめているだけだったが、僕は吸い込まれるようにレンズを向けていた。1枚・そしてまた1枚とシャッターを押す指先。そして、その指先と同調するかのように、レンズ越しに見える老人は私に何かを語っているかのように思えた。それは言葉ではない伝達、おそらく老人の身体から発する目には見えないもの、だけど感じることが出来るもの。その老人がどんな人生を歩んで来たのかは想像するに値しない、でも、歩んで来た人生そのものの軌跡がオーラを作り上げ、語りかけてきたように感じたのだ。「人生は顔に出る。そして、身体から放たれる」そんな感覚である。
それは、照りつける太陽の光で露出している肌が痛く感じるほどのフィリピンでの出来事だった。
【フィリピン・バリカサグ島にて】
それは、照りつける太陽の光で露出している肌が痛く感じるほどのフィリピンでの出来事だった。
【フィリピン・バリカサグ島にて】
by iro-tavi
| 2006-07-05 14:56