老人と遺跡
2006年 07月 11日
「あの老人はひと時も離れず、この寺院を守って来たんですよ」現地のガイドさんが話してくれた。僕は今、アンコール遺跡群のひとつタ・プロム寺院に来ている。この寺院はガジュマルの木が寺院の一部を飲み込み、その圧倒的な自然の力と栄枯盛衰を忍ぶ朽ち果てた寺院の趣が旅人の心を誘う、僕もそんな1人である。事実、その自然の脅威と時を感じざるを得ない遺跡には心が奪われる。それにしても、この寺院と時を重ねてきた老人とは・・彼はどれだけの事実やどれだけの物語をこの寺院と共にして来たのだろう。僕の興味はタ・プロム寺院本体よりも、いつの間にか、その老人に向いていた。が、そんな僕の心とは裏腹に、老人はとぼけ顔を崩すことなく遠くを見つめている時間だけが流れていた。
【カンボジア・タ・プロム寺院にて】
【カンボジア・タ・プロム寺院にて】
by iro-tavi
| 2006-07-11 15:05